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国税庁がこのほど公表した令和2事務年度の所得税調査の実績によれば、個人の1件当たりの申告漏れ所得金額が最も高額だった業種は、「プログラマー」となりました。
参照元:国税庁公式ホームページ
新型コロナウイルスの感染拡大、いわゆるコロナ禍により、税務調査の実地調査件数が減少しているなかで、当局が1件当たりの〝成果〟を重視した結果、上位の顔ぶれががらりと変わる結果となっています。
令和2事務年度にトップだったおは、プログラマーの1件当たり申告漏れ所得金額は4927万円。
2位 畜産産業(肉用牛) 3,515万円
3位 内科医 3,339万円
4位キャバクラ、5位太陽光発電と続きます。
プログラマーについては、暗号資産などの自動売買プログラムといったソフトの開発を手がけたプログラマーが約2億円の所得隠しを指摘されたケースもありました。
目立つのが、前年の順位が記載されていない点です。税務調査で狙われやすい業種をはじめ、常連の業種がトップ10から姿を消して、順位の入れ替えが大きくあったことを物語っています。(下表参照)
(出典:国税庁「令和2事務年度における所得税及び消費税調査等の状況について」より抜粋)
例年であればトップ3の常連だった、いわゆる「夜の職業」関連では、キャバクラが2834万円で4位に名を連ねましたが、23年連続で上位5位に入っていた風俗業はランキングから外れました。
風俗業はコロナ禍の影響を最も受けた業種の一つであり、利益が激減したため調査先に選ばれにくかったことが影響したと考えられます。
業種ごとの1件当たりの追徴税額を前年度と比べてみると、前年はランクインしていた土木工事、ダンプ運送、タイル工事、冷暖房設備工事などはいずれも1件当たり100万円台にとどまりました。
一方、今年度に新たにランクインした業種をみると、太陽光発電825万円、建築士624万円、小売業・犬456万円、不動産代理仲介614万円など前年より高額化が目立ちます。
コロナ禍で実地調査の件数を減らさざるを得ないなかで、1件当たりの税務調査の取れ高を重視した当局の姿勢が表れたものとも考えられます。
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