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コロナ禍における税務調査の動向とは

新型コロナウイルス感染拡大もあり実地調査は大幅減

2020年4月に1回目の緊急事態宣言が発令されてから、新型コロナウイルスは拡大を続けました。

令和元事務年度(2019年7月~2020年6月)の税務調査件数を見てみると、すでに新型コロナウイルス感染症の影響もあってか、実地調査の件数は前年比77%となっています。

この新型コロナウイルスの影響において、申告期限は延長が容易になり、調査どころではなかったというのも実情だとは思います。

税務署も税務申告に対して柔軟な対応を取っていて「コロナの影響による申告延期」という要請にも対応しています。

また緊急事態宣言の間をぬって調査の日程を組んだものの、該当税務署で感染者が発生し日程は解消、そのうちに人事異動で結局立ち消え、といった事例もあったようです。

接触機会低減を目指した措置とは

実地調査件数は下がったものの「簡易な接触」と表現される書面や電話による連絡、資料の提出依頼や来署依頼による面接等で、税務署が納税者に対して自発的な申告の見直しなどを要請する手法については、平成30年度と比べて件数が上昇しています。

また、今まではFAXや郵送で対応していた調査・照会等で提出を求められた資料の送付が、令和4年1月からe-Taxで送信できるようになります。

国税庁は「ウィズコロナ」を準備

国税庁はすでに「納税者の理解を得て、税務調査の効率化を進める」として、大規模法人を対象にしたWeb会議システムやリモートアクセスを利用した税務調査を試験的に導入しています。

今後はAIやデータマッチングの導入を行い「申告に対してコンピュータ側で間違いをチェック」するような機能の拡充を行うとしており、元々ICT化を目指していた上で、コロナ禍に乗じてその方策を加速させているように感じます。

税務関連の手続きは、平成16年にe-Taxの運用が始まってから、今日に至るまで、電子化を地道に進めてきました。これからも「便利な改善」が続いてゆくでしょう。

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